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本編
第3章 職員の勤務時間、週休2日制及び休暇
3 勤務時間問題研究会
昭和63年4月1日から週40時間労働制の目標を定めた改正労働基準法が実施されるなど、我が国の労働時間をめぐる情勢は大きく変化してきている。こうした状況の下で、公務員についても社会経済情勢や生活構造の変化にも対応した今後の勤務時間、休暇等の制度の在り方について、その職務の特殊性、勤務の実態を考慮しつつ、幅広く検討する必要があるところから、各界の識者の意見を聴くために昭和62年11月「勤務時間問題研究会」を設け、多角的な視点から公務員の勤務時間等の在り方についての検討を行っている。同研究会は、勤務時間短縮、週休2日制の推進についての考え方、土曜閉庁方式に対応した勤務時間制度の在り方、勤務時間の弾力化、超過勤務問題、休暇制度等について議論を重ね、昭和63年6月24日中間的な意見のとりまとめを行い、「公務員の勤務時間制度の課題(公務員の勤務時間短縮、週休2日制を進めるために)」として、職員局長へ報告した。
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――公務員の勤務時間短縮、週休2日制を進めるために――
- I 完全週休2日制へ向けて
- 1 勤務時間短縮・週休2日制の必要性
- 〔自由時間拡大の社会的要請〕
技術革新、国際化の進展や人々の勤労観の変化に対応し、労働者の健康と福祉の増進に目が向けられるようになった。また、高齢化の進展等に対し、長期的観点から雇用機会の確保が要請されている。さらに企業や社会の活力を維持・増進する観点から、労働者の自由時間の拡大を図るため、労働時間の短縮が求められている。
- 〔公務部門への期待〕
労働基準法が改正され、週40時間労働制への移行時期の目標が示されるなど、労働時間短縮の気運が高まり、また、近年、日本の国際的地位にふさわしい労働時間の水準が求められてきている。このため、社会的に波及効果のある金融機関、公務部門に労働時間短縮、週休2日制推進の牽引役を期待する声も高まっている。
- 〔自己研鑽と公務能率の向上〕
公務においても、職員の心身の健康を維持するため、休日増による勤務時間短縮が必要である。社会の変化に対応した行政ニーズを適切に汲み上げ、問題の解決を図っていくために必要な知識や判断力を身につけるための時間的ゆとりが必要である。また、優秀な人材を確保し、職員の高い勤務意欲を保持することは、能率的な公務運営を行うために不可欠である。さらに、男女ともに家庭責任を果たし、地域活動に参加できる時間が求められる。
- 2 完全週休2日制への道すじ
- 〔社会の時短目標を実現するために〕
民間における週40時間という労働時間の将来的目標が明示され、できる限り速やかに実現に努める旨の政府の方針が示されている情勢の下では、時代の流れを促すためにも公務部門は一歩でも早く、その実現に努めることが必要である。
- 〔行政サービスヘの配慮〕
公務員の週休2日制の推進に当たっては、行政サービスの低下をきたさないこと、定員や予算の増加に結びつかないものであること、行政能力の向上が確実に実現されることが前提になるとする意見についても十分考慮し、さらに一層公務能率の向上に真剣に取り組む必要がある。
- 〔情勢適応の考え方〕
週休2日制のような制度に関しては、民間の平均水準との均衡に限らず、様々な角度から官民の比較を行うとともに、広く社会一般の動向をとらえ、バランスのとれた情勢判断を行う必要がある。
- 〔目標時期の設定〕
公務員の完全週休2日制の実施には、官庁の完全土曜閉庁が避けて通れないことから、できる限り速やかに閉庁施策が推進・拡大されることが望まれる。公務員の完全週休2日制については、昭和65年度の実現を目標に、そのための方策を計画的に講ずる必要がある。(年間の所定内の実勤務時間……週40時間、年次休暇20日使用のケースで1808時間)
- 3 完全週休2日制実現のための条件
- 〔土曜閉庁の定着〕
公務において完全週休2日制を実施する場合、民間と同様業務改善等の努力が不可欠であり、安易な予算・定員上の措置を前提とすることは許されないことから、完全週休2日制実施に当たっては官庁の土曜閉庁の実現がその一つの条件となる。この場合において、社会的に週休2日制を定着させるものとして国民に官庁の完全週休2日制が、受け入れられるよう努力していくことが重要である。
- 〔政府全体としての条件整備〕
このためには所定勤務時間内の業務効率を向上させるとともに、目に見える形で事務の改善を国民に示していくことが必要である。行政需要の減少している部門から業務体制の拡充の必要な部門への予算・定員上のやりくりの措置を含め、政府全体として体制の整備・充実に取り組むべきである。
- II 土曜閉庁に対応した勤務時間制度の在り方
- 〔土曜閉庁方式のメリット〕
国全体の週休2日制の推進に対する波及効果や学校5日制を含めた社会の変化への影響を考慮し、また、価値観の変化に伴う新たな国民生活についての将来を展望すると、土曜閉庁方式を推進することが望ましい。土曜閉庁方式の導入は、職員が交替で半数ずつ勤務する場合に比べて職員の休みが安定的に確保され、組織的な業務遂行が行いやすくなるなど、勤務条件面でも、業務管理面でもメリットが大きい。
- 〔休日としての土曜日〕
現行の週休2日制は、土曜日の勤務時間を「勤務を要しない時間」として指定するという暫定的な形で行われているが、官庁において執務が行われない土曜日(閉庁土曜日)が法律により規定された場合、閉庁土曜日は、日曜日と同様に休日としての明確な位置づけを行うのが適当である。
- 〔代休制度の導入〕
現在国家公務員については代休制度が設けられていないが、労働時間の短縮・週休2日制が社会の流れとなっている現在、実勤務時間を短縮するため、また、職員の健康保持の面からも、日曜日や閉庁土曜日に勤務を命じる場合の代休制度を導入すべきである。
- III 勤務時間に関する諸問題の検討
- 〔長時間の超過勤務の縮減〕
年間総実勤務時間の短縮の観点から、また、職員の健康管理の観点からも超過勤務の縮減は重要である。今後、各省庁、各職場における各層の管理者の時間管理意識の高揚を図るとともに、1)組織・職員配置の見直し、事務の簡素化、業務処理方法の改善等2)不要不急の超過勤務を行わないという職場環境づくり3)管理者による超過勤務の必要性の判断と明確な指示など超過勤務縮減の方策について研究を行い、指導を強化すべきである。
- 〔勤務時間の弾力化措置〕
公務においても、今後、更に勤務時間短縮を推進するに当たって、また、職務の性質、業務遂行の実態を考慮した能率的公務運営の観点から、フレックスタイム制、3か月単位の変形労働時間制、裁量労働のみなし労働時間制等勤務時間の弾力化についての検討を行っていく必要がある。
- 〔休暇の使用促進と休暇制度の拡充〕
年次休暇の使用促進のためには、1)業務計画に合わせた職員の連続休暇の計画の策定2)職員の年次休暇使用のための職場内での応援体制の確立等年次休暇を取りやすい雰囲気づくり3)繰越し日数の改善、計画的付与等の制度の検討等に取り組む必要がある。
経済社会の変化や新しい価値観に対応して、夏季休暇の創設や長期の無給休暇の創設を含め、新たな休暇制度の検討を行う必要がある。
| 勤務時間問題研究会委員名簿 |
| (五十音順) |
| 氏名 |
現職 |
| 斧 |
誠之助 |
日本人事管理協会理事長 |
| 神代 |
和俊 |
横浜国立大学教授 |
| 郷 |
良太郎 |
株式会社ニチエン化工社長 |
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東京商工会議所労働委員会委員長 |
| 佐々木 |
孝男 |
連合総合生活開発研究所長 |
| 篠塚 |
英子 |
お茶の水女子大学助教授 |
| 藤井 |
昭三 |
朝日新聞論説委員 |
| ◎ 宮崎 |
勇 |
大和証券経済研究所理事長 |
| 安枝 |
英、 |
同志社大学教授 |
| 若杉 |
和夫 |
日本長期信用銀行顧問 |
| (備考)◎は座長 |
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